おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡 力(ながおかつとむ)です。
昨日は、2025年版「中小企業白書」のⅡ-113ページ「第2-2-5図 1社当たり直接輸出額(スケール別)」を読みましたが、今日はⅡ-117ページ「コラム 2-2-1①図 100億企業1,653社の起点売上高と成長期間」を読んでいきます。
下図について白書は、「経営者自身が、現状の正確な理解と危機感を持つこと/これらと表裏の関係にある成長メリットを知ること」へのアプローチの一環として、100億企業の成長過程の分析を実施した。
同分析は、2002年~2022年の間に売上高10~70億円台から売上高100億円以上へ成長した企業1,653社を抽出し、全体の傾向についてデータ分析を行うとともに、さらにその中から比較的100億企業の数が多く地域の偏在が少ない業種から企業を抽出し、この群に対比のための非成長企業を加えた合計200社の個別の成長過程を分析することとした。
全体のデータ分析では、100億企業への成長過程で、総資産に対する借入金の割合の低下及び利益剰余金の割合の増加など、自己資本比率が高まる傾向が見られたことから、自己資本比率を高めるために必要な経常利益率の向上のため、特定の取引相手に大きく依存しないビジネスモデルの構想や自社でイニシアチブを持つことが重要であるとの示唆が得られた。
個社の成長過程の分析では、100億企業がこれまでに売上高の規模に応じて、どのような課題に直面し、どのような打ち手を講じたかを一般化した。サプライチェーン上のポジションごとに特徴的な、又は共通の打ち手を整理したところ、「事業戦略の構想・推敲」、「設備投資」、「研究開発」、「組織・人材・M&A」及び「資金調達」の各領域で、共通の打ち手が見られた。
このコラムは、中小企業が「100億企業」への創出を加速化するための政策の在り方を示す「第2次中間報告書」を基にしているとある。企業が成長するには、いくつかの壁があり、それを乗り越えていくと、いつかは100億円という高い壁に対峙する企業も出てくる。このところ100億円を目指す企業に向けた補助金があることから、申請したい企業のお手伝いをいくつかさせてもらった。当たり前だが、1億円、10億円企業とは異なり、また1000億円とも異なる独特の雰囲気が100億円企業にはある。わたしは特にヒト・モノ・カネ・情報がこれまで以上に必要となるが、100億企業の現場では、それらをどのように確保していたのかに興味をかき立てられた。これらを踏まえて、このコラムを拝読していきたい。
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