BLOG ブログ

労働分配率は高まっていますか??

 おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡 力(ながおかつとむ)です。
 昨日は、2025年版「中小企業白書」Ⅱ-54ページ「第2-1-44図 従業員の定着状況(人材の不足状況別)」を読みましたが、今日はⅡ-56ページ「第2-1-46図 労働分配率の変化率(従業員数の増加状況別、中央値)」を読んでいきます。

下図から、2018年と2023年を比較した従業員数の増加状況別に労働分配率の変化率(中央値)を見ると、従業員数が「増えていない」事業者は、「増えている」事業者に比べて労働分配率の上昇幅が大きいことが分かる。

これは、従業員数が「増えていない」事業者の方が、従業員数が増えていないにもかかわらず、付加価値額に占める人件費の割合が増加していることを意味しており、人材不足により付加価値額が減少している、又は業績の改善が見られない中で賃上げを実施しているといったことが原因である可能性がある。

従業員数を増やせば人件費は増加するが、それに見合った付加価値額の増加も期待できることから、積極的に人材を確保していくことの重要性が示唆される。

最近の補助金は、最低賃金の引き上げや人件費総額の増加を申請の際の条件として求めるものが多い。確かに設備投資を行い、稼働させれば、付加価値額は増えるはずで、そうなれば、労働分配率も高めることができる。だが、実際には、そんなに思惑通りにはいかない。そもそも最新の設備を導入したからといって、それがすぐに利益を生み出す程、今のビジネスは簡単ではない。まして、狙い通り、付加価値額を高めるのはかなり難しい。賃上げしないと補助金を返還しなくてはいけない。これを恐れて無理して賃金を高めることで、資金繰りが悪化する。となると、補助金を受給することで倒産する企業が今後増えてくるのではないか。考えたくもないが、そんな懸念が強まっている。

#中小企業診断士 #2025年版中小企業白書 #地域活性化伝道師

応援クリックお願いします!

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタントへ
中小企業診断士 地域活性化伝道師のブログ - にほんブログ村

2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031