おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡 力(ながおかつとむ)です。
昨日は、2024年版「労働経済白書」の 167ページ「第2-(2)-18図 日本と諸外国の賃金差の推移」を読みましたが、今日は 175ページ「コラム2-7-①図 アイルランドの労働生産性の推移」 を読みます。
下図について白書は、アイルランドにおける労働生産性(生産性)の水準は他のOECD諸国と比較しても飛び抜けて高く、またその成長率も年平均6%強と極めて高い水準となっている。
なぜアイルランドは、これほど生産性の水準や成長率が高いのであろうか。この背景には、アイルランドにおける多国籍企業の生産性が高く、近年大きく成長していることがある。
コラム2-7-①図(1)から、生産性を国内企業等と、多国籍企業に分解してその推移をみると、国内企業等における生産性はおおむね50ユーロ程度であり、2011~2023年にかけてほとんど成長していない。一方で、多国籍企業における生産性は、2011年時点でも200ユーロ弱、2022年には450ユーロ近くまで上昇し、アイルランド全体の生産性をけん引していることが分かる。
さらに、同図(2)から、アイルランド国内の多国籍企業における労働力供給量の占める割合をみると、2011年の10%弱から、2023年には14%程度まで上昇している。生産性の高い多国籍企業に属する労働力の増加の構成効果も、生産性の向上に寄与しているものと考えられる。
トランプ氏が騒いでいるのはアイルランド、アイスランド、グリーンランド。そもそもアイルランドってどこにあるか。そんな国の生産性や成長率が高いのは数字のマジックだと思っていたら、多国籍企業の存在が理由と裏付けしてくれた。自国だけでは限界があるが、自国の強みを多国籍企業が引き出すことで相乗効果が出ているということだろう。企業誘致に積極的になる地方も、同様の効果を狙っているのだろう。単に、インフラを整えるだけでなく、自分の強みは何か、何が足りないのか、どこと組めば可能性が高まるのか。こういう検討がまずは、重要という示唆なのだろう!
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