おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡 力(ながおかつとむ)です。
昨日は、2023年版「中小企業白書」 Ⅱ-137ページ「第2-2-18図 事業承継後の意思決定の状況別に見た、事業承継前と比較した投資額の変化」を見ましたが、今日はⅡ-138ページ「第2-2-19図 事業承継後の意思決定の状況別に見た、後継者の準備期間中の取組」を見ていきます。
下図から、事業承継後の意思決定の状況別に、後継者の準備期間中の取組について見ると、「主に後継者が意思決定を行っている」企業は「主に先代経営者が意思決定を行っている」企業と比較して、「自社の経営資源・財務状況の理解に努めた」、「従業員と自社の課題等について話し合う機会を設けた」、「自社の経営に携わり、経営に関する哲学や手法を学んだ」といった取組の回答割合が高いことが分かる。
一方で、「現場で働き、自社の技術やノウハウ、商習慣等を学んだ」、「既存取引先との顔合わせを行った」などの取組の回答割合は低い。
先代経営者から経営を任せられるために、後継者は現場での学習や既存取引先との顔合わせだけでなく、事業承継前から自社の経営資源・財務状況の理解や従業員との対話、自社の経営に携わることを通じて、経営者としての意欲や能力を示す必要があるのではないか、とあります。
「自社の経営資源・財務状況の理解に努めた」、「従業員と自社の課題等について話し合う機会を設けた」、「自社の経営に携わり、経営に関する哲学や手法を学んだ」といった取組の回答割合が高いということは、後継者が自ら、自社の現在の経営状況を客観的に把握しようとしていることの現れでしょう。
特に、後継者は、自社の強みよりも、どこに弱みがあるのか、吹き荒れる脅威は何か、これを早めに知ることで、自分なりの経営戦略の方向性を考えて行くのではないでしょうか。
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