下図から、経営者からの権限委譲を進めた際の、社員の動きに統一感や一貫性を持たせるための工夫・取組の内容を見ると、「経営理念・ビジョンの共有」が最も多く、次いで「人事評価の明確化と処遇への反映」、「挑戦・失敗を敢行・許容する文化の浸透」となっていることが分かる。

この結果について白書は、このような取組を行うことで、権限委譲を行うと同時に、経営理念・ビジョンの共有などを通じて、従業員の動きに統一感や一貫性を持たせることも重要といえよう。

この項を踏まえて白書は、成長企業は、従業員の増加とともに、経営者からの権限委譲を進めている傾向があることを確認した。また、権限委譲を進めたことが自律的な社員と社員からの改善提案の増加につながっており、こうした状況下で既存事業の拡大や新規事業の創出に取り組んだことで、売上高の増加を実現している可能性があることが示唆された、とあります。

売上高を高めるためには、設備投資など、何らかの資金流出を伴うことを考えがちですが、この権限委譲であれば、投資や費用はゼロに抑えることができます。

いわば、組織の体質改善を図るということなのでしょう。時間がかかるので、早めに取り組みましょう！

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