おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡 力(ながおかつとむ)です。
昨日は2021年版「中小企業白書」の165ページ「第 2-1-5図 損益分岐点比率の推移」を見ましたが、今日は166ページ「第 2-1-6図 試算構造の変遷」を見ます。
下図から調達した資金の使途(資産構成)の変遷について、貸借対照表の「資産の部」を基に見ると、大企業は2000 年代から総資産に占める有形・無形固定資産の割合が低下する一方、投資有価証券の割合が大きく上昇している。国内での設備投資から海外関係会社などを通じた海外展開、あるいはM&Aへ資金を振り向けてきたことが推察される。
中規模企業でも、大企業ほどではないものの、2010 年代に入ると設備投資の割合が低下し、投資有価証券の割合が上昇し始めている。また、現金・預金等の推移を見ると、中規模企業では 2000 年代以降、小規模企業では 2010 年代以降、緩やかに増加していることが分かります。
以上を踏まえ白書は、大企業では 2000 年代に、海外投資やM&Aなどにより事業を拡大したことで、投資有価証券の割合を増加させつつも、内部留保も堅調に積み上げており、借入金依存度は横ばいで推移していることが推察される。
中規模企業では、大企業と同様に投資有価証券の割合の上昇が見られるも、2000 年代以降借入金の削減に徹しており、かつ現預金の割合も緩やかに高まるなど、大企業ほどは資金調達を通じた事業拡大に取り組んでいない傾向にあることが推察される。
小規模企業では、2000 年代までは低い収益性が課題となり、高い借入金依存度が続いていたが、2010 年代に入ると、中規模企業と同様に収益力が改善し、借入れを削減する傾向にシフトしつつあることが推察される、とあります。
現金を必要以上に持っていると、モノ言う株主から、株主還元を求められるので、とりあえず、流動性の高い投資有価証券にしておくということでしょうか。ですが、やはり、次の成長に向けて投資していくことが必要ですよね~!!
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