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経営者は「肚」を固めよ!

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 おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡 力(ながおかつとむ)です。

 昨日は、2022年版「中小企業白書」 「第3章 共通基盤としての取引適正化とデジタル化、経営力再構築伴走支援」 Ⅱ-376ページ「第2-3-86図 経営支援における基本的なプロセス」を見ました。

 今日は、Ⅱ-377ページ「第2-3-87図 技術的課題と適応課題の比較」を見ます。

下図について白書は、経営環境の変化が激しい時代においては、経営を見直したり、成長を実現したりするために、直面する多くの課題を乗り越えていくことが必要である。

その際、経営者には、困難な壁に直面してもやり切る意思、状況に応じて臨機応変に対応できる柔軟性、経営者の独りよがりにならず社全体を巻き込む統率力等が求められる。

このように、経営改善や成長に向けた取組は、リーダーシップ研究者R・ハイフェッツ(ハーバード大)の考えに基づけば、既存の解決策が応用できる「技術的課題(Technical Problems)」ではなく、既存の解決策がなく、当事者のマインドセット自体を変える必要がある「適応を要する課題(AdaptiveChallenges)」そのものである。

このため、当事者である経営者が十分に「腹落ち」(納得)していなければ、その考えや行動を変えることはできず、誰かに言われたことを鵜呑みにするだけでは「腹落ち」には至らない、とあります。

この項の序文に白書は、従来型の大量生産モデルに基づく産業構造の下で、中小企業、小規模事業者における経営課題がある程度共通していた時代においては、経営課題がどこにあるのかを見極めるプロセスをしっかり行わなくとも、課題解決策が大きく外れることがなかったため、こうした支援が比較的有効に機能してきた。

他方、経営環境の変化が激しく、複雑さを増した時代においては、企業の直面する課題は様々であり、効果的に経営課題を解決するためには、そもそも経営課題が何であるのかということについての正確な分析から入らなければならない。

また、課題解決に取り組んでいる中で、別の経営課題に直面し、その課題分析を行った上でなければ効果的な経営改善に至らないといったケースも多々ある。

したがって、今日では、課題設定プロセスについて、課題解決策の検討プロセス等と同様、あるいはそれ以上にしっかりと支援することが求められる。その際、経営者本人にとっての「本質的経営課題」にまで遡って特定、把握することが重要である、とあります。

以前から、高度成長下のコンサルティングはどのように行われていたのか疑問に思っていたのですが、「経営課題がどこにあるのかを見極めるプロセスをしっかり行わなくとも、課題解決策が大きく外れることがなかった」のですね。

「腹」。司馬遼太郎は「肚」と頻繁に書いています。経営者には「肚」を決める覚悟が必要なのですね。

読み進んでいきましょう!!

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