1.数字を抑える
”他社にはない大変優れた機能を持つ製品を開発したので、売上の大幅な増加が期待できる!”
この文章、申請書においてはダメです。なぜだか分かりますか?経営計画は数字で説明する必要があるためです。「とても」「極めて」「大幅に」等といった修飾語は用いません。
今回の事業再構築補助金で求められるのは、現状と数年後における「売上高」と「付加価値額」の比較です。これらの推移を具体的な数字により説明していかなければなりません。
売上高についてはエイヤーの丸い数字で決めて良いと思います。ですが付加価値額は「営業利益+減価償却費+人件費」の和なので、エイヤーはダメです。
最低でも昨年度、できれば過去2カ年の損益計算書に基づき、売上高から売上原価、さらに販管費を、科目ごとに細かくシミュレーションして求めてみましょう。また、人件費には人員数が影響するので、どれくらい増減するかも加味して算出しましょう。
2.基準値は実績ではない
公募要項には、「事業終了後3~5年で、付加価値額の年率平均3.0%以上、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上の増加を見込む事業計画を策定する必要がある」とあります。
ここで問題となるのがその基準です。基準年度については、「2021年3月期が直近の決算年度で、交付決定が2021年6月、補助事業終了が2022 年3月ならば基準年度は2022年3月期となる」とあります。
実はこれが非常に厄介!!
てっきり直近の決算を基準年度とすると思っていたのですがそうではありません。何が厄介かというと、2022年3月という見込みの数値を作成する必要があるためです。
この見込み数値を適当に作ってしまうと、事業終了後3~5年に年率平均3%の条件が現実と乖離してしまうので、ここはしっかりと固めなくてはなりません。
そのためにも繰り返しになりますがシミュレーションが重要になってきます。
3.他にも数字がつきまとう
まだまだつきまとってくる数字があります。「申請前の直近6か月間のうち任意の 3か月の合計売上高が、コロナ以前 (2019年又は 2020年1月~ 3月)の 同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること」とあります。
申請前の直近6ヶ月ですので、第1回であれば、2020年11月・12、2021年1月・2月・3月・4月で、この期間は変えられません。この6ヶ月の内、任意の3ヶ月が1年前又は2年前の同月の合計と比べて10%減少していることが申請条件です。
年間では10%以上減少しているが、任意の3ヶ月だと減少していないということがあると思います。この場合は、第2回以降で条件に合う月を見つけるしかないでしょう。
4.伸び率の求め方
もう一点あります。年率平均3.0%という条件がありますが、実はこの求め方について記載がありません。
下表の場合、「K2」の数式は、「=TRUNC((J2-$B2)/ABS($B2),3)」になります。
5.シミュレーションの見本
特に決まったフォーマットはないので、自社の損益計算書をもとに自由に作ってください。参考までに私が作成する際の手順は以下になります。
- 過去2カ年の実績を入力し、項目と数式を固める。
- 表の最上段には、「人数」の行を設定します。
- 表の後段には、「付加価値」の算出結果を設定します。
- 将来の数値は、「%」を入力すると自動で計算できるようにします。
- 収益性の変化を確認するために、損益分岐点売上高も求めるようにします。
6.今日のまとめ
- 苦手な人が多い決算書。今回の申請を契機にエクセルに数字を打ち込み、自社の数値を把握しましょう。
- シミュレーションすると、自社の収益を高めるための課題・問題点が見えてきます。
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