1.はじめに
当所、GW直前の2021年4月30日(金)に〆切が設定されていましたが、サーバーダウンの影響で延期となったことで、その存在感が増したのが、今回特集する『事業再構築補助金』です。
1兆円超の巨額予算と補助額最大1億円というインパクトからご存じの方、申請された方も多いと思います。
私も数社の中小企業経営者から依頼を受け、無事に申請を終えたところです。一段落したので、次回への備忘を兼ねて、これから5日間にかけて、採択される『事業再構築補助金』の申請書の書き方をまとめて行きます。
中核である「事業計画書」を中心にどのようなことを書けば良いかを記載していきますので、次回以降申請される中小企業経営者や中小企業支援担当者の方々等の一助になれば幸いです。
2.そもそも申請書は誰が書くべきか?
今、新型コロナウイルス感染症の影響により多くの補助金や助成金があります。私は持続化補助金やものづくり補助金の申請を支援したり、時には審査員になったりした経験があることから、『事業再構築補助金』の公募が始まる前、申請書の作成に関して非常に多くの相談を受けました。
気になったのは、それが”見知らぬ同業者”であり、採択になったら成功報酬を支払うという”補助金屋”でした。
補助金は目的ではなく手段です。補助金を獲るだけの関係に良いことは全くないので、このような依頼はすべてお断りしています。もしも、本稿をお読みになって、丸投げしたいというお気持ちがあるのでしたら、他の方にご相談ください。
その一方で、中小企業経営者が補助金申請を機に、自社の経営を見直したいというのであれば、基本的にいかなる内容でも承ります。
その際、経営者に求めるのは、申請書を書くことではなく、あくまでも進むべき方向性を徹底的に、そして、一緒に考えていただくことです。それが経営者の役目であり、これをナビしていくのが私の存在意義と考えています。遠慮無く、ご相談下さい。
3.事業再構築とは??
前置きはこれくらいにして、本題に入っていきます。
今回、いくつかの申請をさせて頂いて、難解に感じたことの一つが事業再構築の概念です。そもそも事業再構築ってどういう意味でしょうか?
いくらコロナという想定外があったとしても、経営資源が乏しい中小企業にとって、事業を再構築するということは非常に難しいことです。仮に、これまでとは全く異なる未知の事業で事業再構築することが申請条件であったとしたら、該当する企業は限定されるのではないでしょうか。
そこで、まず、この補助金が示す事業再構築の考え方を整理します。与件には「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」、「事業再編」の5つが示されています。
まずは進みたい方向がこの5つのどれに該当するか検討しましょう。
その理解を進めるために、下図のイメージが与えられていますが、これが分かるようで分からない。
そこで、咀嚼して説明するとこんな感じです。
・・・という感じでしょうか。要するに、事業再構築補助金の対象となるには、中小企業が何らかの設備投資により、自社の製品・商品・サービスを新しくするか、売り方や作り方を新しくするかに該当していれば条件はクリアできると考えて良いと思います。
”設備投資が必須の経営革新計画”と考えると理解が進むのではないでしょうか。
4.事業再構築に該当するか??
とはいえ、サーバーがダウンするほど申請者が多いのであれば、説明資料で記載されているような「喫茶店が飲食スペースを縮小し、新たにコーヒー豆や焼き菓子のテイクアウト販売を実施」するような事業イメージでは採択されるのは難しいかもしれません。
ですが、中堅・中小企業ならともかく、小規模事業者が新規事業を起こすのは容易ではないので、小さい経営革新でも新たな取り組みであれば認めて貰えると信じてここは先に進みましょう。
5.今日のまとめ
- 事業再構築とは何か?
- 検討している内容は「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」、「事業再編」のどれか?
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